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2020.09.15

特定処遇改善加算の気になる中身

介護人材が不足しているという問題はテレビのニュースや新聞、webサイトのニュースなどで度々取り上げられています。公益財団法人介護労働安定センターが行った「介護労働実態調査(平成30年度)」の結果によると回答した介護事業所の67.2%が介護人材の不足を感じているとあります。厚生労働省老健局老人保健課の「2019年度介護報酬改定について~介護職員の更なる処遇改善~」を見ると、介護人材の確保を2020年度末までに約26万人、2025年度末までに約55万人、年間にすると6万人程度をする必要があるとしており介護人材の確保は待ったなしの状態です。

こういったなかで、国は介護人材確保のために施策の一つとして「特定処遇改善加算」という制度を新しく作りました。この施策を通じて介護職員が受けられるメリットは「待遇の改善(給与のアップ)が期待できる」という点です。ただし、だれでもその恩恵をうけられるわけではありません。本記事では「特定処遇改善加算」の概要や加算を受けるための条件などに付いて紹介します。

特定処遇改善加算とは?

特定処遇改善加算は2019年10月から始まりました。この加算の目的は「技能や経験のある介護職員の処遇改善」となっており、「勤続年数10年以上の介護福祉士について月額平均8万円相当の処遇改善を行う」という方針の基で制度は立てられています。介護職員全般の処遇改善を目的にした「介護職員処遇改善加算」とは異なり、介護職全員が一律に待遇改善されるわけではないのです。

特定処遇改善手当の取得要件と加算率

特定処遇改善加算は特定加算Ⅰ・特定加算Ⅱの2段階に分かれており、従来からある処遇改善加算に上乗せされる形で介護報酬に加算される仕組みになっています。また、加算を取得するにはいくつかの要件があります。

特定処遇改善加算の取得要件
    • 処遇改善加算の、加算(Ⅰ)から(Ⅲ)のいずれかを取得していること。
    • 処遇改善加算の職場環境等要件の中で、「資質の向上」「労働環境・処遇の改善」「その他」の各区分について、1つ以上の取り組みを行っていること。
    • 処遇改善の取り組みについて、厚生労働省の「介護サービス情報公表システム」やホームページへの掲載を通じて、「見える化」を行っていること。
特定加算Ⅰを取得するための要件
        • サービス提供体制強化加算、特定事業所加算、日常生活継続支援加算、入居継続支援加算のいずれかを取得していること。
        • サービス提供体制強化加算は最も高い区分、特定事業所加算は従事者要件のある区分に限られること。

※上記の加算を1つも取得していない場合は、特定加算(Ⅱ)となります。

サービスごとの加算率について

特定処遇改善加算は介護サービスごとに加算率が異なります。以下の表に介護サービスと加算率についてまとめていますので参考にしてください。

【介護サービス別の加算率はこちら】

特定処遇改善加算のルール

特定処遇改善加算にはいくつかのルールがあります。例えば、「勤続年数10年以上の介護福祉士について月額平均8万円相当の処遇改善を行う」という目的と方針の基で制度は立てられていますが、勤続10年以上の介護福祉士がいなくても加算を算定することは可能です。また、他の事業所での勤務年数を勤続年数に加えることも可能であることや、事業所が独自で行った能力評価に基づき加算の対象とすることも認められています。他にも、加算で得た報酬を配分する際のルールが決められています。

特定処遇改善加算の配分に関するルール
        • 「経験・技能のある介護職員」の中で、月8万円の処遇改善となる人、または年収の見込み額が440万円を超える人がいること。
        • 「経験・技能のある介護職員」の平均引き上げ額を、「その他の介護職員」の2倍以上とすること。
        • 「その他の職種の職員」の平均引き上げ額が、「その他の介護職員」の2分の1を上回らないこと。

ここまでに、特定処遇改善加算を算定することで介護職員の待遇改善に期待できることや、制度の目的・概要などについて紹介してきましたが理解は進みましたでしょうか。この加算は2019年から始まった新しい制度であること、報酬の分配がそれぞれの施設により異なることなどから、今の時点でどれくらい介護職員の給与に反映されているのかまでははっきりと見えていないのが実情です。自身にどれくらい反映されているのか気になる方は給与明細のチェックや、管理職・労務担当の事務職の方に尋ねるなどして詳細を確認してみてください。

参考:
「2019年度介護報酬改定について~介護職員の更なる処遇改善~」厚生労働省老健局老人保健課

文責:有田 和弘特別養護老人ホーム、小規模多機能型居宅介護施設などで介護職として働き、ケアマネジャーの資格取得後は特別養護老人ホームで介護度の高いご利用者への支援を中心にケアマネジメントを行う。介護業界での勤務経験は通算で10年を超える。現在は介護関係の記事作成を中心にフリーライターとして活動中。

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